エルザの大聖堂への行列
ELSA'S PROCESSION TO THE CATHEDRAL

 「エルザの大聖堂への行列」は、歌劇「ローエングリン」の第2幕で、ブラバント国の王女エルザが、人々と共に騎士(ローエングリン)との結婚式のために大聖堂への向かうシーンで演奏されます。ローエングリンはやや混み入ったストーリを持つオペラですが、この曲の場面設定として、「結婚式に向かう厳かで幸せに満ちた情景」を思い浮かべながら演奏して欲しいと思います。
 曲の流れとしては、先ず心地よいフルートとオーボエのメロディーが奏でられ、徐々に幸せを実感していくようにメロディーが他の木管へと受け継がれて行きます。続いてエルザと騎士の静かな会話を表現するようなソロが始まり、転調とともにエルザの行進を見守る貴族たちの祝福の声が起こります。やがて、調が戻ると人々のざわめきをクラリネットの連符があらわす中、エルザが大聖堂へと向うメロディーが奏でられます。そして、再び冒頭のメロディーに戻り、金管やパーカッションの力強さも加わったった歓声の頂点でエルザが大聖堂の石段に第一歩を踏み出します。 原曲では突然オルトルートの邪魔が入りますが、単独で演奏される編曲版では盛り上がったまま終結します。 


♪歌劇「ローエングリン」

エルザの容疑を晴らすために
現れた騎士「ローエングリン」 歌劇「ローエングリン」は中世の伝説を題材とする3幕のオペラ。10世紀前半のドイツのアントワープを舞台とする作品で、「あと継ぎとなるべき弟を殺したとの容疑かけられた王女エルザが、聖杯を守るローエングリンに救われ結ばれるが、その素性を尋ねてはならぬ・・・という約束を破ったために破局を迎える」という内容。ワーグナー自身の台本によるもので、それ以降の作品が「歌劇(Opera)」ではなく「楽劇(Musikdrama)」と呼ばれているのに対し、「ローエングリン」は歌劇(Opera)と呼ばれる最後の作品です。ワーグナーの後期作品と比べて上演の機会は少なくDVDも余り出ていませんが、「エルザの大聖堂への行列」のほか、第1幕、第3幕への前奏曲などは、独立して演奏される人気の高い曲です。また、第3幕への前奏に続いて大聖堂での結婚式の場で歌われる「婚礼の合唱」(タン・タタ・タ〜ン、タン・タタ・タ〜ン。)は、「真夏の夜の夢」(メンデルスゾーン)の「結婚行進曲」とともに、わが国の結婚式や披露宴でも必ず演奏される、皆様おなじみの曲です。





歌劇のあらすじについて

第1幕
◇ドイツ国王ハインリヒが、ハンガリー征伐の兵を募るためにブラバント国を訪れたとこ
ろ、領主が亡くなり混乱状態にあった。 ブラバント国のフリードリヒ伯爵は「王の世継ぎとなるべき幼いゴットフリート王子が、姉のエルザと森に入って行方不明になり、姉だけが帰還した」ことをハインリヒ国王に説明する。エルザは、行方不明になった弟のことを質問されても青ざめるばかりで、エルザに弟ゴットフリート殺害の噂が立ち始める。
◇かねてより領主の座を狙っていたフリードリヒ伯爵が、エルザを弟殺しで訴えたため、ハインリッヒ国王の前にエルザが釈明のために召喚される。そのとき、エルザの祈りが届いたかのように、白鳥に小船をひかせた騎士が現れる。騎士(後に「ローエングリン」だと判明)は「決して自分の素性を尋ねない」ことをエルザに誓わせ、国王の前で、弟殺しの濡れ衣を着せようとしたフリードリヒ伯爵を決闘で倒す(殺しはしない)。

第2幕
◇フリードリヒは、「エルザを弟殺しで訴える」という策略を企てた妻オルトルートを責めるが、彼女は「自分で騎士の魔力を奪い復讐を果たす」こをと夫に誓い、エルザに取り入ろうとする。
◇王の伝令が「フリードリヒ追放と、騎士がエルザと結婚してブラバント領主となること」を告げ、結婚式のためにエルザ達が大聖堂に向かう。このシーンで「エルザの大聖堂への行列」が演奏され、演奏会バージョンは無事に明るく終わるが、原曲ではクライマックスで突然オルトルートの邪魔が入る。その後、フリードリヒ伯爵も群衆に向かって「騎士が魔法を使っていることを告げ、名前と素性を明かす」ことを要求する。しかし、騎士は取り合わず、動揺するエルザと共に礼拝堂へ入って行く。

第3幕
◇壮麗で演奏効果が高い第3幕への前奏曲はワーグナーの代表的なオーケストラピースとして吹奏楽編曲による演奏もよく行われる。続いて、かの有名な「婚礼の合唱」が場を盛り上げる。結婚式に出席したオルトルートが、騎士の素性への疑念を訴えるが、騎士は身分を告げる必要はないとはねつけ、式は無事終了する。
◇その夜、騎士と二人きりになったエルザは、素性を明かしてくれない夫に不安が募り、とうとう素性を尋ねてしまう。翌朝、騎士はハインリヒ国王の前で、「自分は聖杯を守る王パルジヴァルの息子ローエングリン」だと名乗る。そして、身分が知れたからには聖杯を守りに戻らねばならないことを告げ、白鳥を呼び寄せる。その白鳥の首には、エルザの弟ゴットフリート王子が着けていた鎖が掛かっていた。この白鳥こそが、かつてオルトルートの魔術で姿を変えられた世継ぎの弟ゴットフリート王子だったことが判明する。ローエングリンは魔法を解いて、王子を元の姿に戻し故国へと帰ろうとする。叫び声を上げて倒れるオルトルート。ローエングリンが去り、エルザもまたゴットフリートの腕の中で息絶える。
  

 ワーグナーはドイツ国民オペラの流れを引き継ぎ発展させた音楽家。彼は、オペラの台詞を自分で書き、舞台装置から照明にいたるまで、すべて自分で考え、詩と、劇と、音楽と、美術の完全な融合をはかった「楽劇」を完成させた。音楽史上、イタリアがオペラの先進国でしたが、ウェーバー(Carl Maria von Weber、1786-1826)の「魔弾の射手」(Der Freischuetz)がドイツ国民オペラの礎を築き、少年時代から「魔弾の射手」に熱狂していたワーグナーはその流れを継承して、ドイツオペラを世界的優位に立たせることに成功しました。

資料: http://homepage3.nifty.com/happyhome/ow/50_report/060730_elza/elza01.html


☆記号(・∀・)☆
langsam und feierilch 遅く。
allargando だんだん遅く、そしてだんだん強く。
【2008/01/16 03:47 】
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